キッチンのリフォームで人工大理石へと変更する方は多く見られます。
人工大理石を使用することによりとてもおしゃれで、優雅な空間に変えることが出来ると、人気が高いからです。
しかし、同じく人気の人造大理石との違いが分からない、または相場やメリットが知りたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、人工大理石のメリットやデメリット、お手入れの注意点や人造大理石との違いなどを詳しくご紹介します。
キッチンを人工大理石にしたいという方や、キッチンの雰囲気を変えたいと思っている方はぜひ参考にしてください。
人工大理石のワークトップとは
ワークトップとは、調理などの作業を行う天板、カウンターのことです。
人工大理石はカラフルで種類が多く、見栄えの良さやインテリア性が高い特徴があります。
ただ、「大理石」と聞くと素材が石だとイメージされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、人工大理石はアクリル系、もしくはポリエステル系の樹脂でできています。
耐水性、耐久性に優れていることも特徴の1つです。
キッチンの天板のほとんどが人工大理石
現在、大理石のキッチンの天板は人工大理石が主流になっています。
天然の大理石だとコストがかかってしまったり、使い勝手が悪かったりするからです。そのため、キッチンに使われる天板のほとんどが人工に造られたものになります。
「大理石のキッチンにしたい」場合は、人工大理石のワークトップになるので覚えておきましょう。
天然の大理石もありますが、費用が高くなるので天然のものを希望する方は、まずはリフォーム会社に問い合わせるようにしてください。
人造大理石との違い
人工大理石には天然の大理石は含まれていません。主成分はアクリル系の樹脂が一般的で、中にはポリエステル樹脂を使用したものもあります。
このような人工素材の樹脂を使用しているため、加工がしやすく、色や柄が豊富なのが特徴です。
アクリル樹脂の方が対候性、耐衝撃性に優れているため高価になります。
一方、人造大理石は、天然の大理石(自然石)を細かく砕いて樹脂やセメントで固めた素材です。自然石を含むため、仕上げに研磨しなければならないので加工をすることが困難です。
そのため、人工大理石よりも高価になります。
また、天然の石を使用しているので耐久性、メンテナンス性が人工大理石と比べて低いです。
特に天板が薄い場合には少しの衝撃で簡単に割れてしまうこともあります。
人工大理石のワークトップのメリット
キッチンのワークトップに人工大理石を使用する場合、メリットもあればデメリットもあります。
メリットを理解することで理想通りのキッチンへリフォームすることができます。しっかりとポイントを押さえておきましょう。
デザインが豊富でおしゃれ
人工大理石をワークトップにすることで、とてもおしゃれなキッチンにすることができます。
人工樹脂を用いているため、加工もしやすいので複雑な形にもシンプルな形にも好みに合わせることができます。
また、色やデザインの豊富なのでキッチンやリビング、ダイニングのインテリアに合わせやすいです。
高級感があるデザイン
ホワイトやマーブル、石目調など、高級感のあるデザインが人工大理石には多く見られます。
ステンレスだと無機質な雰囲気になりますが、人工大理石の場合は温かみのある雰囲気を演出することができます。
対面式、アイランド式のどちらとも相性がよく、オシャレな雰囲気を醸し出すことが可能です。
そのため、部屋のインテリアや空間の広さと相乗効果を発揮し、より高級感を演出することができます。
天然に比べて価格が安く手頃
天然の大理石をキッチンに取り入れると価格は非常に高くなります。厚さにもよりますが、数万円から数十万円の違いが生じる恐れがあります。また、天然の大理石の方が高級感は演出できますが、手入れも非常に難しいです。
例えば、ゴミやホコリがついた状態で拭いてしまうと簡単に傷がついてしまいます。
また、熱には強いですが酸性、アルカリ性に弱いので使う洗剤にも注意しなければなりません。
さらに、水気が残っているとすぐにシミになってしまう恐れもあります。
一方、人工大理石はステンレスと比べて高級感も演出でき、手入れも注意点さえ押さえれば比較的容易にできます。
コストパフォーマンスと実用性を考えると人工大理石の方がいいと言えます。
多くのメーカーが販売している
加工がしやすく、様々なカラーやデザインのものが作りやすいこともあり、多数のメーカーが人工大理石のワークトップを販売しています。
人造大理石、天然大理石と比べるとその差は圧倒的です。
メーカーの数が多いほど、選べる種類が多くなります。そのため、他の大理石と比べて選べる幅が広く、好みに応じたデザイン、カラーのワークトップが見つかりやすくなることも人工大理石のメリットです。
このように、人工大理石は見栄えもよく、高級感溢れるデザインや色合いのものが多いです。
さらに、選べる種類も多いので、自分の好みに合った仕上がりになりやすい特徴もあります。
人工大理石のワークトップのデメリット
人工大理石のワークトップはおしゃれで高級感があり、豊富な種類の中から選ぶことができる特徴があります。
しかし、その分取り扱いに注意を払わなければならない部分もあります。
知らずに使っていて問題が起きてしまう恐れもあるので、デメリットもしっかりと把握するようにしましょう。
変色してしまう恐れがある

出典:https://revive-clean.com/2017/03/18/blog50/
人工大理石のワークトップは、熱や汚れに非常に弱いです。暑い鍋をシンクの上に置くと、熱の影響で変色してしまいます。耐熱性が上がっているとはいえ、熱を冷ましてからシンクに置かなければならないので手間に感じる方もいらっしゃるでしょう。
また、醤油などが垂れてしまった場合、すぐにふき取らないとシミになってしまいます。
跡が残らないように、垂れてしまったらすぐにふき取らなければなりません。そのため、常に注意を払わなければならない点がデメリットです。
天板が割れやすく傷がつきやすい

出典:https://ameblo.jp/dr-repairman/entry-12014827170.html
人工大理石はステンレスとは違い凹んで衝撃を吸収しないので、割れてしまう恐れがあります。
重たいものを落とすことはもちろん、ガラスのコップなどを落としただけでも割れてしまうことがあります。
また、年数が経つと細かい傷がつきやすいことも特徴です。
細かい傷がつくと汚れが残りやすくなるので、黄ばみや汚れの原因となるため、傷をつけないように注意しながら使用しなければなりません。
紫外線の影響で割れやすくなる
人工大理石は紫外線の影響を受けるため、日光を避けなければなりません。年数が経過し、紫外線が当たると黄ばみや割れの原因となります。
これらを防ぐために、最近の人工大理石のワークトップにはあらかじめ紫外線吸収剤が添加されています。
しかし、完全に防ぐわけではないので、劣化の原因となる紫外線を遮る工夫をするようにしましょう。
もらいサビがつく

出典:http://migakiconcier.blog.fc2.com/blog-entry-46.html
ステンレスのキッチンの場合、焦げた鍋や調味料のついた調理器具を置いておくともらい錆が生じることがあります。これは人工大理石でも同じです。
特に、長時間放置してしまうと汚れが移ってしまい、もらい錆へと発展してしまうケースが多いです。
人工大理石を使用する場合は、すぐに洗う癖をつけておかないとすぐに汚くなってしまう恐れがあります。
このように、人工大理石のキッチンは取り扱いが非常に難しいです。
「ちょっと置いておこう」や「とりあえず、ここにしておこう」としてしまうだけで黄ばみや汚れ、もらい錆の原因となります。
こまめなお手入れが苦にならない方や、定期的なお手入れを行える方でないと美しい状態を保つことが難しいキッチンでもあります。
人工大理石のお手入れ方法の注意点
人工大理石は気をつけなければならないことが多いことがデメリットです。
黄ばみ、変色、割れ、もらい錆と注意することが多いです。基本は毎日お手入れするようにしましょう。
毎日のお手入れは、中性洗剤と柔らかいスポンジで軽くこすり洗いをし、最後に水気を取るだけで十分です。
しかし、長期的に使うとなると黄ばみやシミなどの対応もしなければならなくなります。普段から意識してきれいに使うことは大切ですが、汚れを完全に防ぐことはできません。
そこで、人工大理石の正しいお手入れの方法をご紹介します。
クレンザーや研磨剤には要注意
キッチンのお手入れといえば、クレンザーや研磨剤を扱う場合が多いですが、人工大理石のキッチンには向いていません。
クレンザーや研磨剤で磨いてしまうと、大理石が白く変色してしまうことがあります。
特に、濃い色だと目立ってしまうので研磨の場合でもこすり過ぎないように注意しなければなりません。
また、たわしなどで力を入れてこすってしまうと傷がつく原因になります。
一度傷がついてしまうとそこに汚れがたまりやすくなり、黄ばみや劣化の原因になってしまいます。
お手入れの際は軽くこする程度にしましょう。
それでも汚れや黄ばみが落ちない時はムリに落とそうとせず、メラニンスポンジや重曹、オキシクリーンを使うときれいに落とすことができます。
高温に弱い
先ほどもお伝えしましたが、人工大理石は熱に弱いです。耐熱温度は200度と言われていますが、ポリエステル系の樹脂の場合はさらに低くなります。温水くらいなら耐えられる設計ではありますが、調理後のフライパンや鍋などは200度を超えてしまう場合もあります。
熱いフライパンなどをシンクやカウンターに直接置いてしまうと、変色や割れの原因になります。
特に、一層構造の場合であれば耐熱に優れてはいますが、二層構造の場合は表面が剥がれてしまう場合もあります。
そのため、事前に業者にどちらの構造になっているか確認しておくことも必要です。
人工大理石のキッチンにする場合は、きちんと冷やしてからシンクに入れる、もしくは鍋敷きをきちんと使用するなどの対策を行うようにしましょう。
溶剤に弱い
人工大理石は焦げ落とし洗剤のような溶剤に弱いです。
塩化メチレンを配合しているような塗料剥離剤を使用すると、表面の艶感が変わったり、変色したりしてしまいます。ステンレスキッチンでは使えるものでも、人工大理石では使えない場合もあるので、事前に確認するようにしましょう。
このように、人工大理石のキッチンは、お手入れでの注意点が多いです。
ステンレスのキッチンと比べて、使用すると変色の原因となるものが多いため、間違ったお手入れの仕方をしてしまわないように注意してください。
人工大理石のリフォーム事例
ある人工大理石のワークトップは、デザインや見た目にまつわるメリットが多いです。
一方でお手入れが大変というデメリットもあるので、人工大理石にするかステンレスにするか悩んでしまう方もいらっしゃると思います。
人工大理石にリフォームした事例をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
ステンレスキッチンから人工大理石にリフォーム:150万円

出典:https://www.kanaju.com/reform/example/?exampleid=841
リフォーム部位 | キッチン・台所 |
---|---|
リフォーム金額 (単体工事時の概算) |
150万円 |
採用商品 | トクラス Bb |
工期 | 4日 |
昔ながらのステンレスキッチンからホワイト調の人工大理石にリフォームし、キッチンのスペースが広々とするようになりました。
収納もリフォーム前と比べて増えたため、窓際に置くものが減り、採光もよくなっています。
人工大理石のキッチンは醤油などを少しこぼしただけで、放置をすると黄ばみや汚れが残ってしまいます。また、それらが原因で変色してしまう恐れもあります。
そのため、キッチンの調理スペースになるべく物を置かないように、カウンター下の収納スペースを最大限利用できる形にリフォームしてあります。
ステンレスキッチンから人工大理石のシンクにリフォーム

出典:http://www.ecospace-y.com/topics_detail3/id=268
日頃から頻繁にお手入れをする家庭なので、ステンレスから毎日の手入れがサッと済む人工大理石に変更しました。
人工大理石に変えるのと同時に壁もリフォームしたので、一層明るい雰囲気になっています。
ホワイト調のカラーを採用しているので、窓から入った光がキッチンや壁に反射するようになっています。そのため、採光が非常によく、作業がしやすいことも特徴です。
また、調理スペースの下に食洗器も備え付けてあり、収納もすぐ近くにあるため、動線が短く家事のしやすいキッチンに仕上がりました。
さらに、シンクの大きさを調整し、調理スペースを広くしてあるので調理がしやすいです。
キッチンは毎日使う場所なので、広々と使えると嬉しいですよね。
コンロ上部のダクトも大きなものに変更してあるので、調理の際に出る煙や匂いもキッチンやリビングに充満せず、効率的に換気できるようになっています。
キッチンのカラーも相まって、新鮮できれいな空気が流れてそうなイメージです。
人工大理石のリフォームのポイント
キッチンのリフォームは人工大理石や人造大理石、ステンレスの3種類があります。
この3種類の中でもデザイン性や見栄えの点から人工大理石を使ったリフォームが人気です。
しかし、お手入れが難しかったり、ステンレスの方がよかったりするケースもあります。
ここでは、人工大理石のリフォームのポイントをご紹介します。
シンクはステンレスにするかどうか
人工大理石は熱に弱く、傷や汚れがつきやすいデメリットがあるため、ステンレスの方がいいかもしれないと思われる方もいらっしゃると思います。
カウンターを清潔に保つことが出来る場合、人工大理石で気になる点はフライパンや鍋などの高温になるものの扱い方です。
シンクの中に入れると傷がついてしまったり、変色してしまったりと心配な方はシンクだけステンレスに変える方法もあります。
ステンレスのシルバーはホワイト調やブラック調を始め、どのカラーとも相性がいいので見栄えが悪くなることはあまりありません。
逆に、熱いものを置いてしまって割れてしまったり、汚れに気づかず放置してしまって黄ばんだり、もらい錆が起きたりする方が見栄えが悪くなってしまいます。
シンク内の使い勝手を考えると、シンクだけステンレスにするのもアリです。
ステンレスキッチンとどっちがいいのか判断しよう
キッチンのリフォームでは費用にかなり差が出ます。
素材をステンレスにするか、人工大理石にするかで数十万円の開きが出る恐れがあります。
費用だけで見るとステンレスの方が安いです。
なおかつスタイリッシュなデザインになるので、費用だけで考えるとステンレスを選んだ方がいいです。
しかし、デザインを重視したい、高級感のあるキッチンにしたいという方は人工大理石をおすすめします。
たくさんのメーカーが様々な種類のキッチンを販売しているので、自分の好みのキッチンを手に入れることができます。
ステンレスだと画一的で、こだわりはあってもあまり変化が見られない場合が多いです。
このような点からも、自分だけのオリジナルキッチンを創り上げたい場合は人工大理石を選んだ方がいいです。
まとめ
人工大理石のキッチンは見栄えもよく、デザイン性に富んでいます。そのため、ワークトップに人工大理石を選ぶ人が増えています。
種類も多く、好みに応じて選ぶことができるバリエーションの豊富さと高級感溢れる雰囲気が作れることが人気の理由です。
しかし、取り扱いに注意を払わないと黄ばみや汚れ、もらい錆、割れてしまうなどの問題が起きる場合もあります。
キッチンを人工大理石にする場合には、メリット、デメリットをきちんと把握するようにしましょう。
また、毎日のお手入れが大変だと感じたり、鍋やフライパンを冷ましてから洗うのが面倒と感じたりする方は、シンクのみステンレスにする方法もあります。
好みや用途、使いやすさにこだわって自分にあったキッチン素材を選ぶようにしましょう。
キッチンのリフォームは、100万円以上を超える高価な買い物です。できれば値段を安くしたいものです。
実は、値段の高いキッチンのリフォームですが、誰でも必ず安くできる方法があるってご存知ですか?
同じ内容のキッチンのリフォームなら安くておしゃれなほうがいいですよね。